冬のからだとおすすめ食材
2017年 11月 15日
11月8日に立冬を迎え、季節は秋から冬へ。
朝晩の冷え込みが冬らしさを感じる季節となってまいりました。
レッスンでもお伝えしていますが、季節の変化に伴ってみなさん共通に感じられる体の変化やよくある症状など、またそれに対応してすぐに実践できる養生法やおすすめの食べ物などを東洋医学的な観点、薬膳などの情報からご紹介しています。
日々のメンテナンスの参考にしてくださいね。
「冬のからだと過ごし方」
冬は気温が一年のうちで最も低く寒い時期で、自然界では「陰」の気が極まる時期でもあります。東洋医学では冬至の前後を冬として、立冬(11月8日)から、立春(2月4日頃)の前日までを指しますが、おおむね11月から3月ごろまでと考えてもよいです。五行では「水」に属し、臓腑では「腎」と関係しています。人も自然界の寒さの影響で、体が縮こまり、毛細血管が収縮し、血の巡りが悪くなるので、頭痛、肩こり、生理痛、腰痛なども起こりがちです。また、発汗が減る分尿量は増えます。激しすぎる運動には適していませんが、気血の滞りを防ぐために適度な運動は良いことです。
冬はすべてのものが内にしまわれる時期です。「閉臓」といって、果実が種となりエネルギーを蓄えて春を待つように、人間も「陽気」をなるべく減らさないように活動を控え、「腎」を補うものを食べ、熱を逃がさない服装で冷えから肌を守り、しっかり体を休めて過ごし春からの活動に備えましょう。
*冷えから肌を守る
厚着をするよりも寒が入り込みやすいポイントである「首」とつくところ(首、手首、足首など)をガードして効率よく保温する。
*冷えの溜まる場所のケア
下腹部、腰(腰とお尻)、ふくらはぎ、アキレス腱周りなどは冷えが溜まるところ。早めの防寒で冷えにくいからだを作りましょう。足の甲の腎のツボや、内くるぶしから指4本分上の「三陰交」というツボ押しも冷え取りに効果的。
*体の芯を温める冬野菜を摂る。
冬の根菜や、小松菜などの葉もの、ネギなどは体を温める作用があります。また芋類など胃腸を保護し強める作用のものも豊富なので、鍋物など温かく調理してたくさん摂り風邪などを予防しましょう。(その他お勧め食材は次の項目で。)
*冷えのぼせ(顔がほてり、手足は冷える状態)を防ぐ「頭寒足熱」
部屋の温度を上げても頭の方ばかり温かく足元が冷えていることもあります。
足元は温かく、頭は涼しくする工夫を。
「冬におすすめの食材」
冬は一年で最も寒く、一年の気候の変化によって疲れが出てくるときです。
身体を温め、適度に「腎」を補うような食材を取り入れるのがお勧めです。
肉の煮込みや煮魚、鍋料理に、トウガラシ、カショウやシナモンなど辛味の食材を調味料として使うのもよいでしょう。
*腎の陰液(血、津液)を増やす(滋陰)食材
白きくらげ、黒ごま、黒豆、なつめ、クコの実、アワビ、鴨肉、豚肉、スッポン、牡蠣、ナマコなど
*腎陽を補い身体を温める(補陽)食材
エビ(干しエビ、桜エビ)、クルミ、羊肉、にら、八角、酒など
*温熱性の食材
もち米、鶏肉、豚レバー、ナマコ、タチウオ、コリアンダー、ネギ、ニンニク、ショウガ、コショウ、ヨモギの葉、タマネギ、カボチャ、あんず、栗、黒砂糖、酒、黒酢
≪養生のポイント≫
冷たいものはなるべく食べない。野菜はなるべく生ではなく温野菜にする。
温熱性で、腎を温めるものや、腎陰を養う働きのあるものを摂る。
ただし消化の良くないものも含まれるので、胃が疲れている人には量は控えめに。
外邪による発熱時(インフルエンザなどの発熱)には強く温める食材は控えるようにしてください。